アプリ開発を依頼しても費用ばかりかかって完成しない!
その時会社で起きていることとは。

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今回はアプリ開発で多いお悩みについてです。他社様と打ち合わせされている方が何故か当社にご相談へいらっしゃることがあります。

その内容というのは大抵の場合

  • 「何故アプリ開発はこんなに費用がかかるのか?」
  • 「何故完成までに時間がかかるのか?」
  • 「完成したけど思ってたのと何か違う」

というようなものです。

そちらについて私の見解をお伝えさせていただこうと思います。
別に他社様の悪口を言うわけではなく、今現在アプリの打ち合わせをされている・開発を進めているものとして、システム会社さんには多分こういう気持ちやこういう部分があるのではないかなというようなお話になります。

アプリの開発と住宅の建築は会社の事情がよく似ている


まず一つ目です。

アプリ開発と建築は全く違うだろうと思われるかも知れませんが、詳しく見ていくと完成までの工程が長くなってしまうことや費用が大きくなる部分で共通の疑問点・問題点があるように感じましたので、今回はお家を建てる場合を例に少しお話したいと思います。

特にカスタムアプリの開発ですと、いわゆる注文住宅を建築する工程とかなり似ていますので、その辺をご参考にしていただけたらと思います。

例えば建築工事を行う場合ですと、最初に簡単な打ち合わせを行って仮契約をすると思います。
その際に例えば数百万円の着手金を払い、ようやく図面が書き始められるといった感じなのですが、この図面の確定までにかなりの打ち合わせ日数と費用がかかってることが多いです。

そして図面が確定したとしても翌日からすぐに工事を始められるわけではなく、そこまでの準備期間が長いです。

特にコロナ禍の影響で現在はウッドショック、簡単に言うと木材の価格が高騰しており中々材料が揃わないという状況も少なくないと思います。

他にも職人さんを手配しようにも、段取りがつくのに待ち時間があったりと色々な事情があるかと思います。

そして実際に工事に取り掛かり、建物が完成してからも今度は庭の工事であったり、外構工事など色々続いていくので、完全な終了までには意外と時間がかかります

例えば基礎工事が立ち上がってから竣工するまでに、場合によっては1ヶ月以上かかることも少なくないです。

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続いてはアプリ開発を依頼して、打ち合わせで完璧にご希望の条件を伝えたのにも関わらず、実際にアプリが納品された時に「思っていたのと何か違う」と感じる。

そういう方が凄く多くて当社にご相談へいらっしゃることがあるのですが、これも仕組みとしては建築とほとんど同じです。

例えば図面を見た時に100%打ち合わせ通りにできており、なおかつ3Dパースの方でも確認してみて文句はなかったはずなのに、実際に家を建ててもらってからお住まいになった時に後々不便なところが見つかってくる。

普通は一般の人が3Dパースを見る機会なんてないのですから、イメージと違っていたと言うのは当然だと思います。

しかし建築経験のある方で、ある程度図面を書いていれば大体完成を予測できています。

それなのに思っていたのと違うのは、依頼人側のこだわりによるものだと思います。
確かにせっかくの自分オリジナルのお家を建てるのであれば、細かいところまでこだわりたいというお気持ちは当然のことだと思います。

しかしそれで逆に、例えば建築家の方から提案されていたとしても
「私はこれが良いです」「これで行きます」と押し切ってしまうと、意外とその部分がネックになってしまう。
これはアプリ開発でも同じことが起こり得ることです。

事前の打ち合わせの中ではいわゆるウォーターフォール型開発の手法で各工程ごとに徹底的に突き詰め、画面編成だったりを100%準備してその時はOKをいただいても、実際に納品した後で思っていたのと違うと感じられることは結構あります。

建築でいうと、例えばここがリビングでテレビのサイズがどれぐらいである。
自動車はあまり大きいものに乗らないからスペースはそんなにいらない。
家族の1日の生活はこのようになっているというような情報が行き渡っていれば、だったらこういう間取りが良さそうと当然建築家は検討できます。

付け加えるとモデルの図面集等々もあります。

それでも依頼者さんのこだわりで、例えば吹き抜けが欲しいと言われてその通りにしたら外の音が凄くうるさいとか。

そういう両立が困難な夢をどうしてもということで、結果的に住んでみたらネックになるということは少なくないです。

なのでこだわりを持つことは良いのですが、それだけではなく建築家の提案や図面集も参考にした方が結果的には満足いくことが多いと思います。

そして特殊な例ではありますが、高級な注文住宅の場合ですとある程度作業が進んでからも打ち合わせをすることができたりします。

その際に例えば実際のサイズ感を確認したり、実際にそこに座ってみたり行動してみたりする。
そして照明の位置はこれで問題ないかとか、テレビや本棚などの配置はどのようにするか、テーブルとかソファとか大きさ次第では買い直した方が良いのかなど。
実際にどのようなイメージになるのかをご自身で直接確認し、シミュレーションしたりすることもできます。

あくまでも高級な注文住宅だからできることだとは思いますが、途中経過から再度打ち合わせを行うことでより納得のいく仕上がりが期待できます。

そしてこれがアプリ開発に置き換わるとなると、アジャイル開発という開発手法があります。

最初から100%を目的としたウォーターフォール型に対して、アジャイル型仕様変更を前提としているため完成してから「思っていたのと違う」というような事態には陥りにくいです。

とはいえどちらも一長一短ありますので、その辺りは打ち合わせの際にご相談すると良いと思います。

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続いては費用についてです。

お家を建てる時にお見積もりを見て、思っていた以上に高額でもう少し安い方が良いと思い、無くても問題ない条件を除いていく。

ですがわざわざ条件を減らしたとしても、正直トータルコストはほとんど変わらないものです。
依頼する側としては納得いかないかもしれませんが、どこの業者さんを当たったとしても基本的に同じだと思います。

そして何故それだけのコストがかかるのかは中々伝わりにくいのが実際のところです。

一応私は建築士の資格を所有しているため、アプリ開発は勿論ですが建築の方も理解できます。
なので今回はこのように建築を例にお話させていただいているのですが、そもそも注文住宅の建築においてトータルコストが変わらない原因というのは、図面が完成するまでに莫大なコストがかかっているからです。

特に高級建築になってきますと、設計士と呼ばれる専門職の方が設計図書を作成します。
そういった専門の方でないとできないようなお仕事を1人で完遂するぐらいですので、その分コストも大きくなります。

相場は依頼先やお家の規模によっても変わってきますが、数十万円ぐらいは当たり前ぐらいに
思っていても決しておかしな事ではありません。

場合によっては数百万単位になることもあります。

その辺の営業の人がイラスト書いてるのとは訳が違います。
こういった設計図書というのは転用可能なものと不可なものがありまして、注文住宅の場合であればほとんどが転用不可でオリジナルのものを書いていることが多いと思います。

そういう事情がありまして、そもそもスタートラインの時点で既に莫大なコストがかかっているわけですが、中々伝わりにくい部分があるのではないかと思います。

そして現場が動いていない時
例えば基礎工事が完了して家を建て始める前の段階でも、他に色々な工程があります。

例えば木材を柱にするためのカット作業であったり、接合部分を準備したりと、現場だけでなく工場でも多くの作業をこなさないといけないわけです。
正直トータルで考えると、現場作業よりもこういった見えない部分の方が多いぐらいです。

他にも壁紙を貼る作業は工事の時に貼って終わりのように見えますが、当然それを作っている工場が別にあります。
窓のサッシとかも場合によってはオーダーメイドされていることも多いのではないでしょうか。

このように色々な産業が集まることによってようやく建築ができるわけです。

そして現場への材料もそうですし、道具も必要です。
交通費だってかかります。

一つ一つ全てが集まることで莫大な経費がかかっているのです。

職人さんの方も、知らない人からすれば半日来るだけでこんなにお給料もらってるのかと思うかも知れませんが、事情を知った後であれば額に対してかなり頑張ってくれていることが伝わるかと思います。

しかし建築ではともかく、システムではそういった苦労が伝わりにくい部分があるかと思います。

リアルな建築だと不可能なことだとしても、デジタルの工程なら苦労しなくてもいいとは正直思うところあるかも知れません。

特にリアルの建築物でここ失敗したから直して欲しい、例えばトイレのドアの位置を変えて欲しいとかは正直無理な話です。

既に完成したものを白紙に戻して確認指示を出して直そうなんてできるわけないだろうって話なんですが、システム開発だと対策することは可能です。

先程も出てきたアジャイル開発になるのですが、仕様変更が前提になっています。

最初から100%完成を目指すのではなく、一つ一つに工程を振り分けて進めていく形になりますので、建築では腰を抜かすほどの急な変更も「アジャイル開発」では出来なくはないので、やはり開発中もこまめに打ち合わせしていただくのが一番の解決策だと思います。

仮にシステム会社さんの方針でウォーターフォール型の、最初から全工程決めてしまうやり方だったとしても「手遅れになるのはまずいですからステップごとに状況を教えてもらって良いですか」と相談しておきましょう。

そう言われるとシステム会社さんも多少対応してくださることが結構あると思いますので、そういうところでご依頼いただくとスムーズに進むかもしれません。

少し長くなってしまいましたが、お話はここまでとさせていただきます。

何故か他社様の弁明のお手伝いみたいになりましたが、とにかくご質問が多いのでこういう対応を取らせていただきました。

そして当社の方でもアプリケーションの開発、ご購入のご依頼をいただいている方に向けて、20分程度のご購入相談、導入相談を受け付けております。

そのほかにも、失敗しないIT導入・働き方改革講座についても様々な情報を随時発信していきたいと思います。
今回は以上です。

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