残業がちの営業もテレワーク!問題とツールについて
こんな社会情勢ですからテレワーク進めましょう圧力半端ないです。
できたら働き方改革と同時に進めて業績も伸ばしたい。
経営者なら当然考えることですよね?
特にウチの会社は大企業じゃあるまいしテレワークなんて無理!
って言う企業さんも多いんじゃないでしょうか?
そこで一つのきっかけとして営業部門の残業を減らしながら収益を上げ、さらにテレワークを進められるような取り組みについて考えて見ました。
モデルケースとして
「自社にはどうアレンジしたら使いまわせるかな?」
とお読みいただけたら幸いです。
収益を上げながら働き方を変える最大のポイントは?
売り上げを伸ばしながら社員さんの負担を減らす方法は実は既に存在しています。
すごい技法を発明するわけでも、驚くような便利ツールを買ってくるでもありません。
言葉にすると非常に簡単すぎて拍子抜けしてしまうぐらいです。
だからこそこれまで甘く見て取り組み切ってない企業さんが多いんでしょうね。
答えは非常に簡単・明確です。
仕事の内容を細分化し
- 経営者・エース社員にしかできない重要処理
- 教えればパートアルバイトでもやっていけそうな部分
- 外注化自動化できそうな部分
の三つに分けて仕事を分配し直す。ってことです。
これが意外と徹底できてないことが多いです。
例えばご近所へのビラ配りを社長がやってたら経営リソースが消耗してしまいます。
初回市場調査の目的があるとか、ダイエットも兼ねて夜間歩いてる。ってのならわかります。
しかし漫然と昼間っからブラついてる間にできる仕事はあるはずです。
ポスティングは業者さんに任せて、社長は経営マターに注力するべきです。
こんな感じで具体的に仕事を細分化して人に振り分けていきます。
本来はこれが管理職の仕事。
それができてない会社が多いってのが日本の現状です。
営業を3部門に分割する
日本では売り上げを上げる一連の活動を「営業」と一括りに捉えがち。
この大雑把な把握に詳細な分析を加えて分業化を進めます。
具体的には
- マーケティング
- クロージング
- カスタマーサポート
この3部門に分けると言うことです。
自動車ディーラーをイメージしていただくと一番わかりやすいでしょうか?
自動車のセールスマンは(2)のクロージングに注力しています。
(1)の広告を作りませんし、(3)としてピットに入ってタイヤ交換したりしません。
これと同じく、
- お客さんを集める作業と
- お客さんとの商談対応は、
別の担当として振り分けるべきです。
中小企業の場合は集客の全責任は社長にあります。
社長が販促の実行計画を練って動かしていかないとほぼ100%失敗します。
まれに右腕社員さんが優秀で集客事業をハンドリングされてるケースもありますが、上手くいくことがある反面、数年後独立されるってパターンが多いようです。
集客ノウハウは社員の個人技ではなく会社の資産として管理するべきです。
例えばメーカーさんの営業部門を例に考えて見ましょう。
全国の問屋さんに取扱商品を増やしてもらうのがメイン事業のメーカーさんです。
これまではターゲットを特に決めずに営業さんが訪問していたとします。
すると営業さんは顔出しても優しく迎えてくれる馴染みの問屋さんばかり通いがちです。
「人間関係を濃密に築いて無理筋でも商品を買っていただくのが営業」と言う文化も根強くあるようですが、それこそがカスタマサポートの仕事です。
クローザーはそこに関わると売上は最大化できません。
営業さんは収益商品の増大。つまりすでに売り上げの上がっている取引先より上がってない取引先の問題解決に注力するべきなんです。
と言うわけで営業さんには疎遠の問屋さん、取引高のなかった事実上新規の取引先を重点的に回ってもらうのが正攻法です。
実際はマーケティング事業部が営業マンの訪問リストを作成するわけですが、見込みのない新規訪問先をリストアップしても費用対効果が低下する一方。
業績も上がらず営業社員のモチベーションも下がると言う最悪のサイクルは避けなければいけません。
ではどうやって有望な訪問リストを作成するのか?
典型的な回答としてはダイレクトレスポンスマーケティングを活用するのがおすすめです。
新規の問屋さんが興味を持ってくれそうな、前のめりで話を聞いてくれそうな
- 「既存商品の」
- 「新しい活用法」
を提案する資料を作ります。
有望な新規商品なんてそんなにないですよね?
モノよりユーザーエクスペリエンスってのはこの10年で何度もビジネス誌に取り上げられてますよね?
それを企画して実行するわけです。
私が主催するリアルマーケティングマスタースクールでは、会員様限定の「問題解決ワーク」を毎月行っており、新しい売れる切り口についての研究が盛んに行われています。
そうした試行錯誤を経て、話を聞きたい!と前のめりな訪問先をピックアップしていきます。
そしてここまでの準備作業を終えてようやく(従来型の)営業活動となります。
すでにマーケティング部門で「情報を教えて欲しい」と言うところまで温まった客先に訪問し、最小労力で信頼関係を築き、先方の欲しいものを聞き出し、明確な契約を締結する。
ここまでが営業マンの役割です。
ここでやはり「営業で重要なのは接触頻度。何度もコミュニケーションを取らないと良い条件は勝ち取れない。」と言うお話をよく聞きます。
もちろん接触頻度は高いほうが良いです。
しかし全て同じ人間が訪問による接触でないとダメ。と言う考えでは発展性がありません。
繰り返しになりますが、訪問面談は最小労力で。
代わりのコミュニケーションはマーケティング部門とカスタマーサポートが担います。
そして無事契約が成立してからが一仕事です。
購入後のお付き合いとして取引ボリュームを増やす必要があります。
これまた営業マンの訪問に依存してる会社が多いですが、対面以外の手段では効果が上がらないのでしょうか?
デジタルメッセージ、ムービー、郵送物、音声コミュニケーション。
代替え手段はいくらでもあります。
対面の接触の代わりに各クライアント専用のビデオメッセージを即日送付してリピート購入を飛躍的に向上させた健康産業もあります。
過去の常識より今出てる結果。これが全てです。
しかも売上高が高いと言うことは先方も優秀で忙しいはずです。
無駄話より価値ある情報を求めています。
相手に役立つ存在としてお付き合いを広める提案こそがカスタマーサポートの役割です。
決して苦情窓口ではなく、問題点を共有してより一層の満足度を引き出すヒアリング担当者が必要です。
以上をご覧いただいてお分かりの通り、対面によるコミュニケーションはごく一部に過ぎないのが現在の「営業」スタイルです。
特に
(1) 商談を希望する見込み客からのアポをつなぐマーケティング部門
(3) 購入後に情報提供することにより取引の継続的な増大を目指すカスタマーサポート部門
このクロージング前後は基本的にクライアントと直接対面しません。
逆の言い方をすると営業マン以外のスタッフを用意する必要があります。
そして制度設計、マニュアル化ができていればパートアルバイトでも大部分はカバーできます。
それだけでなく、作業を細分化することにより社外でも作業の能率を落とさず業務を進める環境が手に入ります。
また営業マンを商談前の販促活動と購入後の顧客対応から解放することによって商談件数と面談時間を数倍確保することが可能です。
そして営業マンを基本的にクロージング作業だけに集中させると言うことは1日ごとのアポイントを調整できると言うことです。
つまり、労働時間を明確に把握しコントロールすることができます。
このようにかつて「営業」と一括りされていた売り上げを上げていく部門を、集客・契約・対応と3部門に人材を分けることにより専業化は可能となります。
そして外出の必要がなくルーチン化させやすい販促と既存客対応にパートアルバイトを配置することにより、優秀な社員さんはより効率的に契約作業に専念することができます。
さらに部門と工程を分けることにより現在かかっている作業の終了見込みが可視化され、残業のカットへ結びつけやすくなります。
以上のように「うちの業界は特殊だから」と一見変化することが難しそうな営業部門でも、ほとんど予算をかけることなく効率化と収益化、そしてテレワーク部門の切り分けを同時に実現することが可能と言うことがわかります。
働き方を変えるならまずは作業の細分化から。
業務改善の参考にしていただければ幸いです。