アパレルや製造業で絶大なシェアの
販売管理の専用パッケージが
クラウド化できない理由
今回は「アパレルや製造業で絶大なシェアの販売管理の専用パッケージがクラウド化できない理由」についてお話させていただきます。
アパレルや製造業などの販売管理パッケージがガラパゴス化している
まずはアパレルや製造業などの販売管理パッケージがガラパゴス化しているというお話です。
それぞれの業種・業界を牽引していらっしゃる社長さんにとっては、自分の業界は特殊である。
詳しいことを理解できるのは自分たちだけだという自負をお持ちの方が多いと思います。
そういう経緯もありまして、それぞれ大手の会社さんから各業界専用にカスタマイズされているようなアプリが多数出ていると思います。
しかし実際中身の方を見てみると用語などが異なる程度で、
アプリの内容自体はほとんど同じ。
使われてるシステムも開発過程もかなり似ていることが多いです。
これまで商社さん、アパレル業さん、製造業さんなど多くのアプリを見させていただきましたが、結果としては驚くほどに同じような内容のものがほとんどです。
それ自体は割と当然のことであり、同じ日本という国でビジネスをしており、同じ法律に基づいて会計ルールがつくられているわけですから仕方ないことではありますが、問題は似てる似てないではありません。
それよりも、それぞれのアプリが開発されたのがすでに20年以上前であること。
1990年代から21世紀初頭頃に作られており、当時の開発に用いられたシステムでは古すぎることが問題なのです。
今ではスマートフォンがあれば写真を撮るのもそれを加工するのも当たり前ですが、ガラケーでは加工どころかまともに写真も撮れない。
そういった中で一人取り残されているような状態が中小企業にもあるということです。
そして困ったら取り敢えず大手さんのパッケージソフトを購入する。
しかしそれでも問題が起こることがあります。
絶大なシェアを誇る販売管理パッケージが
思ったほどカスタマイズできない残念なカラクリ
まずは絶大なシェアを誇る販売管理パッケージが思ったほどカスタマイズできない残念なカラクリについてご説明します。
カスタマイズというのはやっぱり業務アプリ基本有償の会社さん多いと思います。
そして21世紀現在の新しい開発スタイルであれば追加できる機能。
例えば同じアパレル業さんであれば同じような機能を共有することができるので開発工程がスムーズになります。
価格の方も同じ機能の流用ですので安価に抑えることができます。
しかし20年以上前の開発スタイルでは、もう全部手落ちみたいな開発をしているとその共有もほぼ不可能です。
そういう状況で満足のいく構築だったり、クラウドのパッケージ追加をしようとすると追加ライセンスや保守契約などで結局0からカスタマイズ開発するほどの費用を負担してしまう。
そして思うような機能を使えないことへのフラストレーションが溜まってしまうことも多いと思います。
それに今までのアプリケーションに慣れてしまっているためにカスタマイズができないということもあるかと思います。
新しいやり方を0からから覚え、全く違うルールでやらなければいけないとなると社員さんがついてこられない。
基本的にボタンの配置変更とか不可能なのでそこで悩まれる。
そのため導入の段階で抵抗されることは多いです。
データ集計の問題点
次にデータの集計について。
例えば売上集計やデータの書き出しなどは普段データベースで行っていると思います。
通常のデータベースを使った開発環境であれば集計データの書き出しが最初から装備されており、不具合が生じるリスクも少ないです。
しかし当たり前のように使っているこれらの機能も、昔は自前で開発するものでした。
そういった業務アプリのパッケージでは集計の数値が正常でないということもすごく多いです。
嘘みたいな話ですが、実際かなりの確率で発生します。
その他にも書き出しをするのに条件が決まっており、特に請求書の内容をPDF化できないなど、多くの不具合や問題点を抱えていました。
今の時代にこのようなアプリを開発してしまうと恐らく損害賠償が発生しそうなものですが、実際に過去そういうものがあり、それを20年以上も引きずってしまっているのが現状です。
モダンなOSについていけてない問題
そして現在のモダンなOSについていけてない問題についてです。
例えばWindows10にそもそも対応していないとか。
サーバーのアプリにしても、例えばWIndowsサーバー2019がリリースされたために2016版のサポート終了が予告されています。
この記事を書いているのが2019年9月で、予告されている期限が2022年ですのでもう半年もありません。
その時が来ればメジャーなアップデートは全て終了してしまいます。
つまり今までWindowsサーバー2016で対応していたものが今後対応できなくなる危機が迫っているということです。
今、中小企業に突きつけられている課題
現在中小企業さんに突きつけられている課題は、
そのアプリのカスタマイズが基本停止されてしまう、
あるいはWindowsサーバー2019に新しく移行したいというベンダーさんの意向で0からアプリを作り直す。
そして費用負担に迫られる。
それに加えてカスタマイズの機能を依頼していればその分も再請求されて乗っかってくる。
かなり高額な費用負担が
日本の中小企業で最大の危機になるのではないかと思います。
販売管理パッケージより
カスタマイズ可能で安価なクラウドの方が優れている理由
最後に販売管理パッケージよりカスタマイズ可能で安価なクラウドの方が優れている理由について4つご説明します。
1つ目が、
先ほどのモダンなOSについていけない問題にも関係する内容です。
パッケージ版ですと今までは当たり前に使えていたものがWindows 10で急に使えなくなるリスクがあります。
しかしモダンなクラウドのプラットフォームを使用することで時代に取り残されるリスクを回避できます。
2つ目に、
MacやiPadなど入力環境を選ぶこともできます。
iPadは娯楽用として捉えられがちですが、データ入力に関しては安定感に優れています。
入力も簡単ですし動作も高速で非常に使いやすい。
しかも本体代も安価ですので、コスト面にも優れています。
しかしパッケージアプリはiPadに使用することができません。
iPad自体は誰でも使いやすいのですが、せっかくの利点を活かすことができないのがパッケージのハンデだと思います。
3つ目。
インターネットさえあれば問題ないのでかなりスムーズに作業を進められます。
安全性の面からもメリットはかなり大きいと思います。
そして4つ目、
クラウドの場合は出先でもデータを入力することが可能です。
同時にデータを見て入力することが難しい。
それをしようとすると結構なコストがかかってしまうという欠点があります。
そのためコストをかけずとも
簡単に両方の操作を行うことができます。
他にも色々システムを見直さなければいけない会社さんも多いと思いますが、今回のお話が参考になりましたら幸いです。
今回はこれで以上となります。